【さとりの真髄】呼吸が私に起きている。いのちが私を生きている。
小出:阿弥陀さまの声を聞くのは、特殊な体験なんかじゃない?
大峯:そう。たとえばね、あなたは毎日息をしているでしょう? それはあなたの意志でやっていますか? あなたの意志で、あなたの肺は動いていますか?
小出:ああ、ほんとうだ……。
大峯:あなた自身の肺に対して、心臓に対して、腸に対して、あなたの意志がなんらかの影響を与えていますか?
小出:なにひとつ、与えていませんね。
大峯:与えていないでしょう。ということは、あなたの肺は、心臓は、腸は、あなたのところにあるけれど、あなたのものじゃないでしょう。言い換えると、あなたが作って自分で動かしているものじゃないでしょう。あなたにすでに与えられたものでしょう。宇宙から与えられたものでしょう。
小出:すでに、宇宙から……。
大峯:「他力」ってそういうことを言っているのよ。それが仏教じゃないか。阿弥陀さまじゃないか。
小出:いまここの、この鼓動が、呼吸が、腸の動きが、そのまま阿弥陀さまからの呼びかけなんですね。
大峯:そう。だから「さとり」ということばを使うならそこで使えばいいんです。自分の内臓は自分の意志で動いていないということがほんとうにわかった。そのことが「さとり」ですよ。それでいいじゃない。「なかなかさとれない」なんて言って苦しむ必要は少しもないじゃないの。
小出:ほんとうですね。このお話を聞いて楽になる方、たくさんいらっしゃるんじゃないかな。あまりにも当たり前すぎて見過ごしてきたけれど、私たち、すでに絶対的な他力の中で生かされていたんだって。阿弥陀さまの慈悲の中にあったんだって。
『教えて、お坊さん!「さとり」ってなんですか』小出遥子著 KADOKAWA刊
(大峯顕さんとの対話 「ほんとうのいのち」に従って生きること より抜粋)
呼吸が私に起きている。いのちが私を生きている。
これ以上の「さとり」なんか、「救い」なんか、
どこにも、ない。
この事実に、ただ、身を委ねていきましょう。
実践の中で、「気づかされて」いきましょう。
「あるねメソッド」の実践道場、あるねラボ、
ご入会お待ちしています!
個人セッションも、絶賛受付中です!
https://yoko-koide.com/private-session/