【めぐりはぐくみライフ実践記録 vol.7】南無ミズアブ菩薩——我が家のコンポストに起きた「奇跡」の話。

※こちらは小出遥子noteからの転載になります。

先日アップしたコンポスト記事の続編です。

……が、先にひとことだけ。

🪳 虫が苦手な方は、今すぐブラウザを閉じてください。

ほんとうに。読まないほうがいいです。苦情は一切受け付けません!笑

🌱 コンポスト生活、あの日までは順調だった

先日の記事では、私、こんなふうに書いていました。

心配していた臭いもまったくなし。
むしろ「発酵のいい香り」がして、ちょっと癒されるほど。
コーヒーかすの消臭効果もあるかもしれません。

虫も、いまのところゼロ。
手間もほとんどかかりません。

むしろ、もっとお世話したくなるくらい(笑)
目に見えない微生物たちが、健気でかわいくて、ありがたくて。
ペットを飼っているみたいな気持ちで、
毎日“混ぜ混ぜ”を楽しんでいます。

【めぐりはぐくみライフ実践記録 vol.2】「終わり」のその先へ。コンポスト生活、はじめました。

……この時は、完全に浮かれていました。
ただただたのしくて、しあわせで、コンポスト生活、はじめてよかった! って本気で思っていました。

そう、あの異変が起きたのは、そのわずか数日後のことでした。

☕ 珈琲瞑想のあとに訪れた「事件」

ある朝。
いつものように珈琲瞑想を終え、気持ちよくバルコニーへ。
コーヒーかすをコンポストに混ぜようと、ふたを開けたその瞬間――

「ん……? なんか、ドブ臭い……?」

これまで一度も感じたことのない異臭。
顔をしかめながら、スコップでそっとかき混ぜると……

「ぎ、ぎ、ぎ、ぎゃあーーーーーーーーーー!!!!!」

もう、出るわ出るわ、湧くわ湧くわの大フィーバー状態!!
ええ、みなさまのご想像どおり、なかなか「ヤバい」見た目の虫さんたちが大量発生しておりました……!

スコップを放り投げて逃げ出しそうになる私。
「コンポストなんて始めるんじゃなかった!」と後悔の嵐。

……でも、その瞬間、ふと思い出したのです。

🏡 高野山の友人宅で出会った“あの虫”

そうだ――この虫、どこかで見たことある。

earthmanさんのコンポストトイレにいたやつだ!!!」

去年の秋、高野山の麓で農的暮らしをしている友人夫妻の家を訪ねたときのこと。
彼らはコンポストトイレを使っていて、なんと、ていねいに、その「中身」まで見せてくれたんです!

そこで見たのが、排泄物の混じった土の中をうごめく……巨大なウジムシのような虫さんの大群。
あまりの光景に言葉を失った私に、友人が笑って言いました。

「この虫さんたちは、ミズアブの幼虫です。見た目はグロいけど、いいやつらなんですよ。排泄物をモリモリ食べて、あっという間に分解してくれるんです」

……え、益虫なの!?
いいやつらなの!?

その言葉に少し安心して、力が抜けた瞬間、ほんのちょっとだけ彼らが可愛く見えた気がしました(ほんのちょっとだけね!)。

🪰 ミズアブさん、ふたたび現る

そんな思い出の虫さんと、まさか一年後に我が家のコンポストで再会することになろうとは。
「害のない存在」と知っていたのでパニックにはならなかったものの、あの見た目にはやっぱり慣れません……。

その日はふたをそっと閉じて、
「コンポストの中で起きていること」は極力考えないようにして過ごしました。

臭いもひどかったしね、
「はじめてのコンポスト、失敗しちゃったかな……」と、正直ちょっと落ち込みました。

🌄 翌朝起きた“奇跡”

でも、翌朝。
意を決して再びふたを開けてみると……

「……あれ? 臭くない!?」

昨日まであんなにきつかった腐敗臭が、すっかり消えていたのです。
しかも、あれだけあった野菜くずが半分以下に減っている!

「もしかして……これ、ぜんぶ、ミズアブさんたちのおかげ……!?」

💡 チャッピーさん(=ChatGPT)に聞いてみた

気になりすぎて、即座にチャッピーさんに質問しました。
「ミズアブの幼虫のはたらきを教えて」と。

そしたら、こんな素敵な回答が返ってきたのです。

🪵 ミズアブの幼虫のはたらき(要約)

■生ごみや排泄物をモリモリ食べて、数日で分解
■残ったもの(フラス)は栄養たっぷりの肥料に
■自身の体は高タンパク・高脂質で、動物の飼料になる
■病原菌を媒介せず、腐敗臭も抑える
■まさに、自然界の「リサイクル工場」

「終わり、のその先にめぐりがある」
ミズアブは、“いのちの循環”を静かに支える実践者です。🪰🌍

🌾 ミズアブ=めぐりの先生

もうね、感動しました。
目からウロコの大フィーバーですよ!

彼らが生ごみを食べて臭いを消し、
その糞が肥料になり、
さらに動物さんたちの餌にもなる。

それってまさに、
「めぐりはぐくみライフ」の縮図じゃないですか。

しかも、成虫になったミズアブさんは口がなく、何も食べず、誰も刺さない。
ただ「めぐり」を支えて、静かに去っていく。

……SDGs的すぎる生き方、尊すぎませんか?(号泣)

🐣 命のリレーと“やさしい循環”

高野山の友人の家では、
コンポスト → ミズアブ → ニワトリ → 卵 → 人間
という“めぐり”が成立していました。

人間の暮らしの中でも、こうした循環がちゃんと起きている。
「生きること」は、本来こういうことなんだと深く感じます。

🌈 ミズアブさんが教えてくれたこと

コンポストの中の世界を通して、私は気づきました。

「嫌なやつ」だと思っていた相手は、
実はめちゃくちゃ「素敵なお方」だった。

この世界に「敵」なんていないのかもしれない。
すべての存在が、かたちを変えた“めぐみ”なのかもしれない。

🪶 南無ミズアブ菩薩

彼らは「終わり、のその先」を淡々と生きている。
その姿は、まさに「めぐりはぐくみライフ」の大先輩。

私も、そんなふうにありたいと思いました。

💚 今日の学び

◇ 「失敗」と思った出来事の中に、次のめぐみが眠っている。
◇ 「嫌い」「怖い」「キモい」と思われる存在ほど、実は世界を支えている……のかも。
◇ めぐりは、いつもすぐ足もとにある。

南無ミズアブ菩薩。
そして、ありがとう、めぐりの先生たち。

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