自分が自分だと思っている「自分」は、からだの中のどの部分にいますか?
どの部分に、一番強く「自分」を感じますか?
直感でいいんです。
「自分」は、普段、どこにいる?
ちょっと、指を差してみてください。
……とやってみると、たいていの人は、胸から上を差すんじゃないかな。
あたまのあたりを差す人も多いかと思います。
それはそれで構いません。
なにも悪いことはない。
それがご自身の実感なのだから。
ただ、胸から上に「自分」を置くと、
いつだって、少し、緊張した感覚が生まれてしまう、
っていうのはあると思うんですね。
「世界」と「自分」とがバラバラにある感じ。
そこから派生した緊張感ですね。
まあ、いままでずっとそうやって生きてきた人には、
もはやその緊張感がデフォルトになってしまっていて、
自分が緊張していることにすら気づいていない、ということも
往々にしてありそうですが、
でもね、人間、緊張していると、
やっぱりいろいろ不快な症状は出てくるんですよね。
息がしづらい、とか、肩がこる、とか、
視野が狭くなる、とか、人を信用しきれない、とか……。
そういうの、もうイヤだな~、疲れちゃったな~、
って思ったときに、
ちょっとオススメの方法があります。
やり方はものすごくシンプル。
ただ、胸から上にあった「自分」という意識を、
おなかの下のあたり、もっと言えばおへその下、
丹田と呼ばれているあたりに移せばいいだけです。
吐く息とともに(吸う息はとりあえず意識しないで)、
ゆっくり、ゆっくり、ご自身のペースで、
上の方にこり固まっていた「自分」という意識を、
おへその下のあたりに移動させていくんです。
ゆっくり、ゆっくりやっていくと、
あるポイントで、ふっとなにかが「おさまる」感覚があると思うんですね。
そうなったら、あとはそこを「自分」の本体として、
ふつうに生活するだけ。
おなかの下に「自分」をおさめると、
「世界」と「自分」との本来的なつながりが見えてきます。
ふっと緊張感がゆるんでいきます。
理由もなく、安心していられます。
それが、本来の自分の姿です。
まあ、一回、「自分」をおなかの下におさめたからと言って、
ずーっとその状態で生きられるかと言えば、
残念ながらそんなことはなくて。
気がつくと、元通り、からだの上の方に「自分」を置いちゃって、
緊張感にまみれた人生を送ってしまったりするんですね。
でも、大丈夫。
そうなっていることに気づいたら、
また、「自分」をおなかの下の方におさめてしまえばいい。
何度でも繰り返しやるんです。
最初はうまくできなくても、練習しているうちに感覚がつかめてくると思います。
慣れてくれば、ふっと意識を向けるだけで、
おなかの下の方に「自分」がおさまってしまいます。
そうやって、自分を、本来の自分に、馴染ませていくんです。
めちゃめちゃ簡単だけど、非常にパワフルなエクササイズです。
(だからズボラな私でもできました……。)
何度でも、繰り返し、感覚がつかめるまで、やってみてください。
なにかのヒントになればうれしいです。
ほんの少し、寒さが戻ってきましたね。
どうか、ご自愛くださいね。
よい一日を◎