夢の中で、私は遊園地にいました。
そこで私はジェットコースターの列に並んでいました。
そのジェットコースターは、なんだかものすごく巨大で、
てっぺんなんか、雲の向こうに霞んでいました……。
本人としては、いますぐにでも逃げ出したい、と思っています。
こんなものには乗りたくない、嫌だ嫌だ、と思っているのです。
でもどういうわけか「乗らなきゃいけない」ことになっていて、
私はそれに逆らえないのです。
いよいよ順番がきて、私はそのジェットコースターに乗り込むことになりました。
私が座席についた、その瞬間、ジェットコースターは動き始めました。
膝の安全バーも、肩の安全バーも降りていない状態で、です!
周りのお客さんの安全バーはきっちりセットされています。
私の席だけ、それが作動していないのです。
「なんでこんな目に!」と、焦りましたが後の祭。
ジェットコースターはすでに一番高いところまで上りつめているのでした。
轟音とともに一気に下降していくジェットコースター。
乗客たちの嬌声。
振り落されまい、と必死で座席にしがみつく私。
と、気がつけばジェットコースターは、
ぐるん、と一周する部分に差し掛かっていました。
「やばい」
と、思った瞬間には、私は、真っ逆さまに落下していました……。
真っ青な空と、真っ白な私の頭の中と……
「さよなら、世界」
と、思った、次の瞬間、
私は、やわらかい地面の上に横たわっていました。
生きていました。
どこにも痛みはありませんでした。
私は、全身で、地面のやわらかさを感じていました。
圧倒的な安堵感が、からだ中に広がっていきました。
なんだ、最初から、ぜんぶ、大丈夫だったんじゃん。
ぜんぶ、ぜんぶ、大丈夫だったんじゃん。
泣きながら、笑いながら、
からだを大の字に投げ出したまま、
私は、
果てしなく広がった大空を、
いつまでも、いつまでも、眺め続けているのでした。
以上、「夢だけど、夢じゃなかった!」なお話でした。
ぜんぶ、最初から、「大丈夫」みたいです。
安心していても、いいみたいです。
11月最初の月曜日。
東京には、冷たい雨が降っています。
よき秋の日をお過ごしください。