私の中には、ひとり、江戸っ子が住んでいます。
彼は、ことあるごとに出てきて、私を叱ったり、なぐさめたり、ときには横っ面を思いっきり引っ叩いて目を覚まさせてくれたりするのです。
ほんとうにありがたい存在です。
便宜上、「寅さん」と呼んでいます。わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又、帝釈天で産湯を使い……フーテンの寅さんです。
先日、私は、自分の卑屈さをまざまざと見せつけられるような場面に遭遇しました。
もう、卑屈も卑屈です。
1分に1回は「どうせ……」ということばが頭に浮かんでくるような状況。
「どうせ私なんて……」
「どうせあの人なんて……」
「どうせ世の中なんて……」
「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」「どうせ」!!!
「どうせ」の大洪水の中で、窒息しかけていました。
と、そこに「♪どうせオイラはヤクザな兄貴~」と、寅さん登場。
で、ばしっと言ってくれました。
寅さん:なんだい、お前さん、えらく顔色が悪いじゃねえか。どうせどうせばっかりいってるから、そんなうらなりの唐茄子ばっかり食ってるやつみたいな顔になっちまうんだよ。
私:……。
寅さん:いいかい? そりゃあ、お前さん、卑屈になるのは簡単よ。どうせどうせ言ってれば、その間は頭を使わなくてすむんだから。一歩も動かずに済むんだから。楽なんだ。そうだろ?
私:……。
寅さん:でもよ、そこからどう立ち上がって、これからの自分自身に期待をしていくかが、人間力の見せどころってもんじゃあねえのかい?
私:……。
寅さん:お前さんには、その力がちゃあんと備わってるんだ。それもとびっきり上等なやつがね。俺はそう思うね。そう信じてる。
私:……(涙)
寅さん:わかったかい? わかったんなら、この瞬間から「どうせ」をやめるこったね。いいかい? やめて、行動するんだよ。とにかく体を動かしている間は、文句を言う口は動かねえだろうよ。わかるかい? 爽やかでいられるんだよ。
私:……(涙)
寅さん:……まあ、俺にはむずかしいことはよくわからねえけどね、あんたには爽やかに……しあわせにいて欲しいんだ。それだけよ。
私:……寅さん!!!(滂沱の涙)
寅さん、いい男だなあ……(続・滂沱の涙&鼻水)
いや、ほんと、「卑屈は傲慢の裏返し」とかって言いますけど、ほんとうに、ほんとうに! そうなんですよね。
卑屈になっているときって、あーだこーだ言って、その状態からまったく動き出そうとしていないんです。
「どうせ自分なんて」と、自分を貶めているようでいて、
実は「自分は悪くない」「周りが変わればいい」という心理に支配されてしまっているんです。
ぜんぶを周りのせいにしてしまっている。
傲慢なんです。
こんなんじゃ、いつまで経ってもなにも変わらないですよね。
自分の周りに展開される世界は、自分自身の反映にほかなりません。
先日も用いたたとえで言えば、鏡の中に手をつっこんで「誰か」や「なにか」を正すことはできないんです。
鏡にうつる、自分自身をととのえるほかないんです。
それに、卑屈になってしまうような状況って、実は大チャンスに触れている、ということもできて。
「そうありたい自分」と、「現在の自分」とのギャップが、「どうせ……」に現れているのだとしたら、
それがもう、ビジョンとして見えているのだとしたら、
地図がすでに用意されているのだとしたら、
あとはもう、行動するだけですから。
行動は、努力です。
「そうありたい自分」に近づく努力と、「このままの自分」に備わったものを磨いていく努力。
寅さんも言うように、努力をしている間は、文句は出ないようになっているんです。
爽やかに生きていられるんです。
せっかく生まれてきたのだから、どうせなら爽やかに生きていきたいです。
「どうせ……」が出てきたら、努力のチャンス。
そう思って一歩一歩進んでいった先に、思いもよらないよろこびが待っているのでしょう。
私、がんばるよ、寅さん。
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このたび、私、小出遥子主宰のワークショップ、Temple vol.2を、2015年3月2日月曜日の夜、ふたたび神谷町光明寺本堂をお借りして開催させていただくことになりました。
vol.1を経てあらたに気がついたこと、改善すべき点などを織り交ぜて、さらにみなさまにとって居心地の良い空間をご提供できたらいいな、と思っております。
もしご興味がございましたら、以下のフォームよりお申込みの上、お気軽に遊びにいらしてくださいませ。
http://goo.gl/forms/CsMHRXPFWR
どうぞよろしくお願いいたします。
【Temple vol.2】
日時:2015年3月2日(月)19:00~21:00(受付18:30~)
☆タイムスケジュール☆
18:30~19:00 受付&リフレクション1
→お寺の本堂=仏さまの見守る空間で、思い思いにお過ごしいただけます。
19:00~19:15 リフレクション2
→お坊さんと一緒に、参加者みんなでお経を読みます。
(今回も光明寺の松本紹圭さんが導師をおつとめくださいます)
19:15~19:45 ウィズダム
→数名の参加者の方に、ご自身が大切にしている「ほんとうのことば」
(真実を指し示すことば。事前にお送りいただきます)をシェアしていただきます。
19:45~21:00 ダイアローグ
→少人数のグループに分かれての座談会です。テーマはそれぞれの思う「ほんとうのこと」。
会場:神谷町光明寺本堂 (東京メトロ日比谷線・神谷町駅3番出口より徒歩1~2分)
http://www.komyo.net/web/kamiyacho.html
定員:40名
参加費:無料
(ワークショップ中にお賽銭箱へ入れられたお気持ちは、全額、「お寺おやつクラブ」 http://www.higan.net/oyatsu.html に寄付いたします)
お申し込み:こちらのフォームよりお願いいたします
http://goo.gl/forms/CsMHRXPFWR
お問い合わせ:
temple00001.info@gmail.com
(光明寺への直接のお問い合わせはご遠慮ください)
主催:小出遥子
※Temple vol.1のレポートはコチラです!
【2015/1/29(木)Temple vol.1レポートその1(リフレクション1・2)】
https://www.facebook.com/temple00001/posts/1377428022555939
【2015/1/29(木)Temple vol.1レポートその2(ウィズダム)】
https://www.facebook.com/temple00001/posts/1377428102555931
【2015/1/29(木)Temple vol.1レポートその3(ダイアローグ)】
https://www.facebook.com/temple00001/posts/1377428235889251
【2015/1/29(木)Temple vol.1参加者の感想まとめ】
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