だしぬけに、大きな戸が風にふきとばされてきたみたいに、くらやみが、さあっとあたりにひろがったと思うと、すべてのものが、べとべとしたよこなぐりのしめった雪を、一面にうけました。
もはや、雪は上からふってくるのではありません。地面にそってとんでくるのでした。生きもののように、ヒューヒューうなって、おしよせました。
ムーミントロールは、からだのつりあいをうしなって、右に左に、ひっかきまわされました。耳の中にまで、雪がいっぱいつまりました。もう、こわくてこわくてたまりません。
時間もなにも、なくなってしまいました。
手でさわれるもの、目に見えるものは、すべてとびさってしまいました。そこにあるのは、おそろしいくらやみの中であれくるっている、しめっぽいつむじ風だけでした。
ものを知っている人なら、いまこそ春がはじまったのだと、彼に教えてやることができたでしょうに。しかし、このときの浜べには、ものを知った人などいませんでした。ムーミントロールは、すっかりどぎもをぬかれてしまって、風に向かって四つんばいになりながら、まるでけんとうちがいの方角へ、はっていくばかりだったのです。
―中略―
だんだん、ムーミントロールははらがたってきました。彼はたちあがって、ふぶきにむかってどなりつけてやりました。ところが、いくらどなっても、だれにもきこえないのです。彼はすこしばかりなき声になって、雪につかみかかりました。
そのあげくは、とうとうへたばってしまいました。
彼は、ふぶきに背をむけて、ふかれるにまかせました。
そのときはじめて、ムーミントロールは、ふいている風があたたかいのに気がつきました。それは、彼をふぶきの中へまきこんで、からだをかるくさせ、まるで空をとんでいるような気持ちにさせるのでした。
(僕は空気なんだ。風なんだ。ふぶきにまじって飛んでいけ!)
ムーミントロールは、こんなことを思いながら、ふかれて歩きました。
(トーベ・ヤンソン=著 山室静=訳『ムーミン谷の冬』講談社文庫 より抜粋)
少年は自分の国の古いことわざを思い出した。それは、夜明けの直前に、最も暗い時間がくる、というものだった。
(パウロ・コエーリョ=著 山川紘矢+山川亜希子=訳『アルケミスト 夢を旅した少年』角川文庫 より抜粋)
旧歴の元日です。
東京は晴れの予報。気温も少し上がるみたい。
昨日、一昨日とずーっと冷たい雨や雪が降っていて、今日になったら(新年明けたら)途端に青空……。
これって、なんだか、ものすごいメタファーだなあ、と感心してしまいます。
この世界は、その姿、かたち、その全体をもって、懸命に私たちになにかを伝えようとしている……
そんな風に思えてならないのです。
「どん底」って、実は結構大きなチャンスだったりするんですよね。
底の底にあるものを、真剣に見つめざるを得なくなるからです。
「見つめる」おそろしさなんて、ほんの一瞬だったりします。
底の底を、逃げることなくまっすぐに見つめた瞬間、
真っ暗闇に思い切って全身を浸した瞬間、
私たちは、「いま」「ここ」に、まったく同時に、春のあたたかさや、夜明けの光が存在していたことに気づくのです。
ぜったいに、大丈夫です。
あなたの望むものは、いつだって「いま」「ここ」に。
今日はこれから大好きな神社に初もうでに行きます。
帰りにはスタバに寄って、さくらラテで乾杯です。
すばらしき春に。
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このたび、私、小出遥子主宰のワークショップ、Temple vol.2を、2015年3月2日月曜日の夜、ふたたび神谷町光明寺本堂をお借りして開催させていただくことになりました。
vol.1を経てあらたに気がついたこと、改善すべき点などを織り交ぜて、さらにみなさまにとって居心地の良い空間をご提供できたらいいな、と思っております。
もしご興味がございましたら、以下のフォームよりお申込みの上、お気軽に遊びにいらしてくださいませ。
http://goo.gl/forms/CsMHRXPFWR
どうぞよろしくお願いいたします。
【Temple vol.2】
日時:2015年3月2日(月)19:00~21:00(受付18:30~)
☆タイムスケジュール☆
18:30~19:00 受付&リフレクション1
→お寺の本堂=仏さまの見守る空間で、思い思いにお過ごしいただけます。
19:00~19:15 リフレクション2
→お坊さんと一緒に、参加者みんなでお経を読みます。
(今回も光明寺の松本紹圭さんが導師をおつとめくださいます)
19:15~19:45 ウィズダム
→数名の参加者の方に、ご自身が大切にしている「ほんとうのことば」
(真実を指し示すことば。事前にお送りいただきます)をシェアしていただきます。
19:45~21:00 ダイアローグ
→少人数のグループに分かれての座談会です。テーマはそれぞれの思う「ほんとうのこと」。
会場:神谷町光明寺本堂 (東京メトロ日比谷線・神谷町駅3番出口より徒歩1~2分)
http://www.komyo.net/web/kamiyacho.html
定員:40名
参加費:無料
(ワークショップ中にお賽銭箱へ入れられたお気持ちは、全額、「お寺おやつクラブ」 http://www.higan.net/oyatsu.html に寄付いたします)
お申し込み:こちらのフォームよりお願いいたします
http://goo.gl/forms/CsMHRXPFWR
お問い合わせ:
temple00001.info@gmail.com
(光明寺への直接のお問い合わせはご遠慮ください)
主催:小出遥子
※Temple vol.1のレポートはコチラです!
【2015/1/29(木)Temple vol.1レポートその1(リフレクション1・2)】
https://www.facebook.com/temple00001/posts/1377428022555939
【2015/1/29(木)Temple vol.1レポートその2(ウィズダム)】
https://www.facebook.com/temple00001/posts/1377428102555931
【2015/1/29(木)Temple vol.1レポートその3(ダイアローグ)】
https://www.facebook.com/temple00001/posts/1377428235889251
【2015/1/29(木)Temple vol.1参加者の感想まとめ】
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