【ブログ】「NINGEN」として生きること。

2022年11月12日

TANDEN道は、NINGEN道。

ここについて、
もう少し言葉の精度を上げて考えてみました。

前回のブログでは、

「ヒト」が、「人間」として生きる道、
それがそのまま、TANDEN道。
TANDEN道は、NINGEN道です。

と書いたのですが、
これじゃ、ぜんぜん、言葉が足りない。

っていうか、このままだと、

「社会的な生き物として生きなさい。
 理性的に生きなさい。
 道徳的に良しとされる生き方をしなさい。」

という「くだらない」お説教(おっと失礼!)
として受け止められて、そこで話が終わってしまう……。

と思ったので、どうしたら本意が伝わるのか、
ネチネチと(笑)考え続けた結果、あらためて説明し直すことにしました!

で、思ったんですけど、そもそも、
「ヒト」か、「人間」か、
の二択で話をしようとしたことに無理があった。

もうひとつ、「NINGEN」っていう、
あたらしい概念が必要だったんです。

ここでおさらい。
「人」には、大きく分けて2種類の呼称があります。
そう、「ヒト」と、「人間」です。

「ヒト」っていうのは、学術的な分類としての、動物の名前。
理性か本能かで言えば、本能優位の存在。

一方「人間」っていうのは、社会的な生き物としてある存在の呼称です。
理性か本能かで言えば、理性優位の存在。

人は、「ヒト」として生まれて、
成長していくにしたがって、徐々に「人間」になっていく。
大人になるにしたがって、少しずつ社会性を身につけて、
理性的に振る舞うことができるようになっていくんですね。

人は、ずっと「ヒト」のまま(=赤ちゃんの意識のまま)で生きていくことはできない。
いつかは「人間」になる時を迎えなきゃいけないんです。

そうそう。
これは最新の神経理論で言われていることなんですけれど、
人は、生まれたての赤ちゃんの頃(「ヒト」そのものだった頃)は、
背側迷走神経っていう、脳の中の背中側(&下側)を出発地点とした
副交感神経のみしか使えないんですって。
背側迷走神経っていうのは、ざっくり言えば、
ひとりでいる時に感じるリラックスを作り出す神経。

それが、成長していくにしたがって、徐々に、腹側迷走神経という、
脳の中のお腹側(&上側)を出発地点とした副交感神経も発達してきて、
他者との関わり合いの中でもリラックスを感じられるようになる。

こうやって、人は、少しずつ、
両方の神経を使えるようになっていくんですって。

これを逆に言うのなら、
私たちは、生まれたての赤ちゃんだった頃は、
完全に「ひとり」でリラックスできていたってこと。

社会の中での、他者との「つながり」を感じなくても、
完全に「ひとり」で充足していたってことです。

私はね、ここで言う「ひとり」っていうのは、
大勢の中の「一人」のことじゃなくて、
自分と他者の区別のない、
もっと言えば、自分と世界の間の区別すらない、
まったくの「ひとつ」としての世界のことだと思っているんです。

生まれたて(完全に、生まれた瞬間のみ、ですが……)の赤ちゃんの世界には、
分離・分断がないから、そもそも「孤独」という概念すら存在しない。

「ヒト」の世界に、「孤独」はない。
つまり、「人間」が「人間」として生きる上での根源的な苦しみは存在しない。

「孤独」というのは、自分以外の他者の存在を認めることで、
はじめて生まれる感覚だからです。

「大人」になるということは、「ヒト」から「人間」になるということ。
そして、それはそのまま「孤独」を知っていく過程でもあります。

「孤独」だからこそ、人間は、他者とのつながりを求めます。
自分という存在を分かって欲しい。認めて欲しい。愛して欲しい。
承認欲求の誕生です。

その欲求が常に満たされるのならば問題はないのですが、
ざんねんながら、なかなかそうはならないのが世の常です。

なぜなら、私とあなたは、まったくの他人だから。
違う生き物同士が「完全に」分かり合えることなんか奇跡です。
つまり、そんな感覚が生まれることなんか、ごく稀だということ。
求めても、与えられずに、傷つくことの方が多いのです。

生まれたての赤ちゃんの頃(完全に「ヒト」だった頃)は、無条件のつながりの中に、
つまりは無条件の安心・安全感の中に身を浸していたのに、
成長するに従って、それを忘れてしまって、
条件付きの「つながり」しか感知できなくなってしまう。

そうして、
「つながり合いたいのに、つながり合えない」という、
人間ならではの苦悩を抱えることになるんですね。

でも、どうか安心してください。
「ヒト」時代に直覚していた無条件のつながりの世界、大安心の世界は、
「忘れてしまった」だけであって、
決して「消えてしまった」わけではないのですから。

ただ、それを、個人としての「人間」が、
意識の上で感知することはできないんです。

でも、個人の意識が感知できなくても、それは、「ある」。
身体レベル、神経レベルで、
無意識のうちに、すでに、必ず、感じられているんです。

すでに、必ず、です。

だから、そこに「おあずけ」してしまえばいい。
難しい理屈は一切抜きにして、すべてを、その事実にゆだねてしまうんです。

「おあずけ」のスイッチは、人の肉体で言うなら、
上か下かで言えば「下側」、そして前か後ろかで言えば「後ろ側」にあります。

(これは、最新の神経理論にも一致しますね。)

かなり乱暴なまとめ方になりますが、
あえて図解するならこんな感じになるかな。

人の肉体を、あえて4つに分類するなら、
上側(=頭蓋骨側)、そして、前側(=お腹側)が「人間」の領域、
下側(=骨盤側)、そして、後ろ側(=背中側)が「ヒト」の領域、
ということになります。

人が、完全に「ヒト」だった頃の、感覚以前の感覚に、
自己意識を「おあずけ」したいのならば、

人が、完全に「ヒト」だった頃の、感覚以前の感覚に、
自己意識を「おあずけ」したいのならば、

「人間」として生きる上で主に使っている、
上側(=頭蓋骨側)と前側(=お腹側)の領域を休ませて、

普段なかなか意識することのない、「ヒト」時代のメインパート、
下側(=骨盤側)と後ろ側(=背中側)の領域を活性化させてしまえばいい。

だからこそ、TANDEN瞑想では、ガイダンスの最初の方に、
自分の骨盤と、自分の後ろ側の空間を意識するプロセスを入れているんです。

自分の骨盤と、自分の後ろ側の空間に、
すべてをゆったりとゆだねてしまうようにしていると、
自然に、心身がリラックスしてきます。

心地よいリラックス感の中で、ただ、深い呼吸を繰り返していると、次第に、
おなかを起点にして「あったかくて、やわらかくて、ひろがっていく」ような感覚が生まれて、
同時に、自分の身体が、「全体性」を取り戻していくのが、
理屈を超えて理解されていきます。

すると、少しずつ、上も下も、前も後ろもなくなって、
(そういった区別をつける必要性がなくなってくる)
「ひとつ」のいのちとして、ただ、ここにある「自分」の姿が見えてくる。

「ヒト」と「人間」とが統合されて、
「NINGEN」という完全体が生まれるのです。

「ヒト」だけでもない、「人間」だけでもない、
その「あわい」にただ存在する、
「NINGEN」という、なつかしくてあたらしいあり方。

「ヒト」時代に無意識のうちに感じていた、
「わたしはあなた」「あなたはわたし」という世界。
「つながり」という言葉もいらないぐらい、
当たり前につながり合い、すべてが、ただ「ひとつ」としてあった世界。

ここに自己意識をゆだね切ってしまった時、
「個」として生きている人間としての「私」から見える世界にも、
おのずから変化は生まれてくる。

すべてが、当たり前に、
つながり合って、生かし合って、支え合っている、
とてつもなく優しくて、あたたかい世界。
その優しさ、あたたかさを、自然に感じられるようになる。

ここにおいて、「私」の振る舞いも、
おのずから、優しさとあたたかさを持ったものに変わっていきます。
なんか知らないけど、そうなっちゃうんです。
そうならざるを得ないんです。

もちろん、一度「おあずけ」しておしまいじゃない。
何度も、何度も、人は、つながりを見失います。

でも、大丈夫。
そのたびに、ただ、立ち返ればいい。
それは、決して、失われてしまったわけではないのだから。
いつだって、ここに、あるのだから。

これが、「あわい」を生きる、「NINGEN」としての道。

「全」としての、「ヒト」としてのあり方。
「個」としての、「人間」としての生き方。

どちらかを切り捨てて終わりじゃない。
そもそもそんなことはぜったいにできない。

だって、
それら「ふたつ」は、「ひとつ」として、同時にあるから。

そして、
人として生きる上での最大の希望も、ここに、同時にある。

人である私たちは、
ヒト時代に感じていた本来的なつながりに、
心と体のまるごとを「おあずけ」して、
時に人間臭い感情に飲み込まれたりもしながら、
「あわい」の存在として、ここにあるよろこびを、
毎瞬、毎瞬、ただ、ていねいに味わって、
優しい気持ちで生きていくこともできるんだ。

TANDEN道は、NINGEN道。
NINGENの道は、よろこびの道。

人として生きているって、それだけで、なんて幸せなことなんだろう。
なんて豊かなことなんだろう。

なんの強がりも力みもなく、
そんなふうに思えるようになれたことが、
私は、ただ、うれしいのです。

**********************************************

TANDEN道を体感したい方は、
ぜひ、無料のTANDEN瞑想会にご参加ください。
明日(11月13日)も開催されます!
5時25分ログイン開始、5時30分スタート。
5時半から6時はTANDEN式ボディワーク。
6時から6時半までTANDEN瞑想。
6時半から7時は小出遥子スペシャルトークの時間です。
耳だけ参加、途中参加、途中抜け、まったく構いません!
参加費無料(お気持ち制)。どうぞお気軽にお入りくださいね。

TANDEN-DO[丹田道]実践者の集い(旧 日曜朝のTANDEN瞑想会)
https://www.facebook.com/groups/286088982580826/

上記グループページの「注目」or「アナウンス」欄から、
11月13日のURLを探してご参加ください。