得意なことを、ど真剣に。

2014年8月26日

甲子園も終わってしまった……。もうじき秋が来る。というか、秋はもう、そこここで始まっている。

 

 

 

私はスポーツというものがあまり好きではないのだが(するのも観るのも。とくに「する」方にはとことん興味がない……水泳と軽い山登りとお遍路以外ね。お遍路はスポーツじゃないか!)しかし、夏の高校野球は、毎年、割と興味を持って観戦している。単に、すいか! とか、花火! とか、蚊取り線香! とかと同じ感じで、夏の風物のひとつとして眺めているだけかもしれないが……。

 

勝ちとか負けとかは基本的にどうでも良くて、でも、ただただ、美しいなあ、と思うのだ。その美しさが、私は好きだ。真剣勝負をしているあの子たちの汗は、きっと、臭いけど、臭くないだろう。涙とともに流された鼻水は、汚いけど、汚くないだろう。そんなことを思う。

 

美しさというのは、ぜんぜん、物理的なものじゃないんだなあ。

 

 

 

彼らがきれいなのは、自分の得意なことを、ど真剣にやっているからだと思う。真剣に汗や涙や鼻水を流す彼らは、彼ら自身から、一ミリもズレていないように感じる。ちゃんと「ど真ん中」を生きているなあ、と思う。そこに心動かされるのだろう。こんなの、あらためて言うまでもないほど自明なことではあるのだが……。

 

でも、本当に自分の得意なことをやって輝いている人って、実際、どれほどの頻度でお目にかかれるだろう。滅多に見ないからこそ、グラウンドに立つ球児たちが、特別きれいなものとして感じられるんじゃないか。

 

 

 

本当には得意じゃないことを嫌々やっている人って、周りの空気をよどませるなあ、と思う。文句ばっかり言ってるし。得意じゃないということを言い訳にして、やるべきことをさぼってばっかりだし。

 

そういう人たちは、たぶん、自分の人生でやることは、自分で自覚的に選べるということを、知らないのだろうなあ、と思う。もしくは、知らないふりをしていたいか。いつだって、誰かのせいにしていたいのだろう。

 

でも、そんな人生、ぜんぜん楽しくないだろう。だって、そんなこと続けていたら、どんどん「自分自身」からズレて行っちゃうよ。自分のこと、どんどん、嫌いになっちゃうよ。

 

苦しい人生だなあ。そんなの嫌だなあ。と、私は思う。

 

(まあ、どんな人生を選ぼうと、結局はぜんぶ「遊び」なんですけどね……。)

 

 

 

自分はなにをやりたいのか。自分が心から求めているのはなにか。自分はどうやって生きていきたいのか。

 

すべての人が、定期的に自分と打ち合わせをした方がいいと思う。

 

 

 

得意なことをやっていきたいなら一刻も早く始めればいい。「仕事が……」とか「家族が……」とか、言い訳せずに。厳しいこと言えば、言い訳ばかりが浮かんでくるようなら、本当にはそれをやりたくないのだと思う。人というのは、本当にやりたいなら、どんな条件の中でもそれをやってしまうものだからだ。

 

得意ではないけどそれでも続けたい、いまやっていることが得意になる可能性に賭けたい、というのならば、肚をくくって、ただだた愚直に、ど真面目に取り組めばいい。

 

そこに自覚があるならば、少なくとも文句は生じないはずだ。

 

というか、「続けよう」と真剣に肚をくくることができたという時点で、それは得意なものである、と言うこともできる。新卒で入った編プロの社長もよく言っていた。

 

「小出くうん、“続ける”というのも、才能のひとつなんだよ? わかるう?」

 

いや、本当にこんなしゃべり方だったのですよ……。まあ、しゃべり方は置いておいて、私はこの言葉を、折に触れて思い出す。ありがたい教えだった。

 

 

 

文句ばかり言って空気をよどませて、真剣に生きている人たちの足を引っ張ることで、必死で溜飲を下げているような人々よ、あんたたち、まじでそんなことしてる時間あるのかい? と言いたい。まじで。声を大にして。肉体を持って生きていられる時間は短いんだぞ~! そんなことをしている暇があったら、自分の得意なことを探して、ひとつふたつと行動を起こせ~!!!

 

恐いかもしれないけど、いつかは向き合わなきゃいけないんだから。それならなるべく早い方がいい。苦しみから脱出するための扉は、自分の中にしかないのだ。ちょっとでも「抜け出したい……」と思うなら、やるしかない。

 

大丈夫。ぜったいに見つかる。みなそれぞれ、この世で果たすべき役割を持って生まれてきているのだ。世界は曼荼羅そのもの。ひとつひとつの仏には、それぞれに絶対的な役割がある。ひとりでも欠けたら、この世はそもそも成立しないのだ。ひとりひとりの力は、それだけ大きい。

 

自分の力を、甘く見ないで欲しいな、と思う。

 

あなたは、本当にすごい存在なんだよ。誰がなんと言おうと、ぜったいに。

 

 

 

なんだかやけに熱くなってしまった……。甲子園観て熱くなるとか、あはは、私も単純な女だな! でも、得意なことを、ど真剣にやっている姿は、とにかく美しいし、それはこういう風にして、必ず人に影響を及ぼして、いい風に広がっていくのだ。ぜったいに。世界はそういう風にできているのだ。

 

みんながそうやって生きられたらいいな。いや、そうやって生きることを、決意できたらいいな。

 

きらきらした世界を、私は見たい。好みの問題と言ってしまえばそれまでだが、それでも。

 

 

 

 

高校球児のみなさん、ありがとうございました。お疲れさまでした。