もどっておいで。
このあたたかな、おなかのまんなかに。
もどっておいで。
このやわらかな、おなかのまんなかに。
もどっておいで。
このひろやかな、おなかのまんなかに。
思い出すだけで、戻れるんだ。
あなたは、ほんとうのところ、
いつだって「ここ」にいるのだから。
「ここ」からはずれたことなどないのだから。
何度忘れても、何度でも思い出せばいい。
おなかの感覚を通して、思い出せばいい。
わたしはいつだって待っている。
おなかのまんなかで待っている。
あなたのおなかのまんなかで、
あなたに「おかえり」と呼びかける瞬間を、
ただ、その瞬間だけを、
静かに、静かに、待っているよ。