おはようございます。小出遥子です。
先日、妙な夢を見ました。
自死を選ぶ夢です。
高い塔の、薄暗い螺旋階段を、私は、ひとりで上っていました。
目的はひとつ、自分の人生を終わらせるためです。
……と言っても、本人に悲壮感はまったくなく、
ただ、淡々と、なにを思うともなく、上っているだけなのでした。
やがて、塔の最上階に着きました。
大きな大きな窓枠の向こうには、
限りなく白に近い、薄明るいグレーの空が見えます。
外には、雪がちらついていました。
淡々と、なにを思うともなく、
石造りの窓枠に手をかけ、足をかけます。
ぐっとからだを乗り出し、大空へと飛び立とうとした、
その瞬間。
「あ、まだだ」と思ったのです。
「まだ、そのときじゃない」と。
強く思ったのです。
「私は、ひとりで生きているわけじゃない」
「“生かされている”のだから、“生きる”を、しよう」と……。
そうっと、窓枠からからだを離しました。
瞬間、さきほどまでは感じられなかった冷気が、
急激に全身を包みこんでいきました。
心臓が、どきどきいっていました。
呼吸が、乱れていました。
「生きている」と思いました。
……そんな夢。
はじめて見る夢でした。
でも、なんだかあまりにも生々しくて……
生涯忘れられない夢になるような気がしています。
人は、どんなに生きたくても、生きるときにしか生きられない。
どんなに死にたくても、死ぬときにしか死ぬことができない。
だって、私は、ひとりじゃないから。
ひとりで生きているわけじゃないから。
そのことが、理屈じゃなく、理解できたのでした。
「“生かされている”のだから、“生きる”を、しよう」
ほんとうに、ただ、それだけだな、と思うのです。
東京は冷たい雨が降っています。
みなさんの地域はいかがですか?
よい一日をお過ごしください◎